顧客や取引先、サービス導入を検討中のお客様など様々な電話が日々会社へ着信します。電話対応の効率化や顧客満足度の向上はコールセンターだけでなく、電話業務を行う多くの企業でも必要です。そこで本記事では電話業務を効率化と顧客満足度の向上へと繋がるCTIシステムについて北関東エリア【千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬】の企業様に向けてわかりやすく解説していきます。
- コンテンツの目次
1.CTIとは?
Computer Telephony Integration(コンピューター テレフォニー インテグレーション)の頭文字をとったもので、コンピューターと電話を統合した技術またはその技術を使ったシステムのことをCTIと呼びます。
CTIを利用すれば電話と顧客管理ソフトや営業支援ツールなどと連携して、着信時に情報を表示したり顧客管理ソフトや営業支援ツールなどから直接発信したりすることができます。
2.CTIを利用する方法
CTIを利用する為には、ビジネスフォンの電話機を制御するPBXとCTIシステムを接続する必要があります。CTIは導入方法がオンプレミス型とクラウド型の2パターンあります。
オンプレミス型CTI
オンプレミス型CTIは、自社にCTI用のサーバーを設置して利用するパターンです。自社にサーバーを設置するので自由にカスタマイズが可能な点が特徴です。また、自社の中で完結することができるので情報漏洩のリスクを軽減できます。
自社にCTI用のサーバを設置・構築する必要があるので導入コストが高く、利用開始までの期間も長くなる点はデメリットです。
【オンプレミス型CTI構成イメージ】
電話機を制御する主装置(PBX)とCTI用のサーバを直接接続もしくはCTI用のアダプタで接続します。CTIサーバと顧客管理を行っているデータベースサーバ・CRMシステムと接続して着信時にパソコン画面へ表示することが可能です。
クラウド型CTI
クラウド型CTIは、クラウド上に設置されたCTIサーバからサービスが提供されます。CTIサーバを自社へ設置・導入する必要がないのでオンプレミス型CTIに比べて安価に導入が可能です。
また、機器導入や環境構築が不要なため導入までのスピードも速いのが特徴です。
インターネットを通じて利用するのでオンプレミス型CTIに比べてセキュリティリスクが高くなる点はデメリットです。また、クラウドで展開されるCTIサーバはユーザー間で共有して利用する為、自社に合わせたカスタマイズなどは制限がある場合があります。その為、既存で利用しているデータベースやCRMと連携ができない場合がある点は注意が必要です。
【クラウド型CTI構成イメージ】
クラウド型CTIを提供する会社によって構成は若干異なりますが、クラウド上に展開されるCTIサーバと社内にある主装置(PBX)・ルーター・データベースやCRMと接続して利用します。クラウド型のCRMサービスと連携できる場合もあり、CRMが社内になくても利用できます。
3.クラウド/オンプレミスの比較まとめ
先ほどご紹介したCTIの導入方法クラウド・オンプレミスのメリット・デメリットを一度まとめてみましょう。
クラウド | オンプレミス | |
---|---|---|
コスト | 〇(安価) | ×(高額) |
導入までのスピード | 〇(速い) | ×(時間がかかる) |
カスタマイズ | ×(制限あり) | 〇(自由に可能) |
セキュリティ | ×(情報漏洩リスクあり) | 〇(情報漏洩リスクを軽減) |
安価に早く導入できるのはクラウド型CTIで、セキュリティ面やカスタマイズ性を優先ならオンプレミス型CTIの方が自由度や安全性が高い傾向にあります。
4.CTIの導入メリット
次にCTIを導入した場合のメリットを見ていきましょう。
顧客情報表示の効率化
CTIシステムを利用すると着信時に自動でデータベースやCRMから発信者の情報を検索して表示することができます。CTIを利用以前は通話開始後に手動で検索をかけていました。CTI導入後の手順の変化は以下のようになります。
- 【CTI導入前の顧客情報表示手順】
- 1. 通話開始
- 2. 検索に必要な情報を質問(お名前や会員番号等)
- 3. データベースやCRMから手動で検索
- 4. 情報がパソコン画面へ表示
- 【CTI導入後の顧客情報表示手順】
- 1. 着信と同時に顧客情報がパソコン画面へ表示
このように電話応対に必要な作業を削減してくれます。
架電業務の効率化
データベースやCRMと連携するCTIシステムではCRMの画面から直接発信などが可能になります。テレアポなどの電話営業やアウトバウンドのコールセンターなどでは1日に多くの発信を行います。発信の度に電話番号を入力していると時間がかかる他、間違った番号へ発信してしまう可能性もあります。
CTIによって顧客の画面にある電話番号をクリックなどで直接発信できるので間違いを防止し、架電業務の効率が可能です。
5.CTIの利用シーン
CTIを実際のシーンに合わせて導入効果を見ていきましょう。
履歴を簡単に追える
サービスについてのお問い合わせのお電話があった場合、発信者は聞きたい要件のみ伝えることも多くCRMなどを検索することができません。その為、以前の対応者が何を説明し何を説明しなかったのか不明なまま対応することになるので、1から説明する必要があります。
CTIを利用した場合、着信時に自動で顧客情報があれば表示されるので以前の対応履歴を確認しながら電話対応ができます。その為、説明も必要な箇所だけにシンプルに伝えることができます。
常連を簡単に把握
飲食店や美容院など予約の電話では、予約したい日時を確認して予約可能と分かった段階で氏名や連絡先などの個人情報を教えてもらいます。店長や古くから働く方であれば声だけでも常連さんに気が付くかもしれませんが、働く多くの方はわかりません。
CTIを利用すれば、働き始めたばかりの人でも顧客情報を確認することで常連さんを把握することができます。常連さんを素早く把握することで顧客に応じた対応もすることができ、顧客満足度の向上に繋がります。
課題解決の迅速化
サポートやヘルプデスクの様にご利用いただいているサービスの故障・障害対応を電話で対応する場合もあるでしょう。CTIで過去の対応履歴を確認することでどの様な対応(設定変更など)を今まで行ってきたのかわかります。今までの対応履歴を確認することで現場環境の把握を素早く行い、問題箇所の特定を行えるようになります。
6.PBX一体型のCTIシステム
CTIを利用する場合、CTIシステムと電話機を制御する主装置(PBX)を接続する必要があるとご紹介しましたが、PBXとCTIシステムが一体型のシステムもあります。コールセンターシステムと呼ばれるサービスの多くはこの一体型となっています。
PBX一体型のCTIシステムもクラウド型とオンプレミス型の2パターンで提供されています。
PBX一体型のCTIシステムではオンプレミス型ではIP-PBX、クラウド型ではクラウドPBXやクラウドコールセンターシステムなどで提供されています。
従来の主装置(PBX)が電話回線を利用したサービスに対して、IP-PBX・クラウドPBX共にインターネット回線を利用したIP電話サービスとなります。PBX一体型のCTIシステムではビジネスフォン+CTIシステムでは実現が難しいかった機能も多く提供されています。
7.PBX一体型のクラウドCTIシステム「モッテル」
PBX一体型のクラウドCTIシステム「モッテル」は、クラウドで提供されるクラウドPBXタイプのCTIシステムです。クラウドPBXのモッテルでは、固定電話だけでなく「ソフトフォン」と呼ばれるパソコン電話機能を利用することができます。
ソフトフォンはお使いのWindowsPCへ専用のソフトをインストールして、簡易的なUSB型の受話器もしくはヘッドセットを接続して利用します。着信時には専用ソフト画面がポップアップ表示され、通話を開始するとCTIによって顧客情報が表示されます。
他にも通話録音機能・クラウド電話帳(会社用電話帳を社員で共有)などが利用できます。
8.まとめ
最後にCTIについてまとめてみていきましょう。
- 【CTIの導入方法】
- オンプレミス:CTIサーバを事務所へ設置
- クラウド:クラウドで提供されるCTIサーバ利用
導入方法は上記の2パターンでした。それぞれのメリット・デメリットは下記の通りです
クラウド | オンプレミス | |
---|---|---|
コスト | 〇(安価) | ×(高額) |
導入までのスピード | 〇(速い) | ×(時間がかかる) |
カスタマイズ | ×(制限あり) | 〇(自由に可能) |
セキュリティ | ×(情報漏洩リスクあり) | 〇(情報漏洩リスクを軽減) |
CTIシステムの種類は下記の2パターンでした。
- 【CTIシステムの種類】
- ・CTIシステム単体
- ・PBXとCTIシステムが一体型のパッケージ
CTIシステムは、着信を受けるインバウンド・発信業務のアウトバウンド両方の電話業務を効率化することができますので、この機会に検討してみてはいかがでしょうか?